犬が吠えるのを止めさせる方法として、しつけを基礎から見直すのはもちろん重要ですが、それ以外にも一発逆転を狙う方法も実はあるんです。是非試してみても損はないですよ!
1.必要な運動量を毎日こなす
しつけ云々以前に、運動が足りていないことが原因でストレスが溜まり、無駄吠えにつながっている事があります。「うちの犬はお散歩が嫌いだから、散歩には行きません」なんて言う飼い主さんがたまにいますが、「お散歩が嫌い」なのは単なる社会化不足です。(社会科不足については下記の記事を読んでみて下さいね。)
外が怖い犬は運動が不要なのかと言ったら、そんなハズはないんですよ!! どんな犬でも運動は必要ですし、お散歩へ行かなければメンタルな刺激もなく、退屈な毎日にストレスが溜まる一方です。このような状態で無駄吠えを止めさせるのは無理です。犬は外に出て散歩をすることで、身体が程よく疲れ、メンタルな刺激を受ける事でストレスが発散されるのです。
効果的に運動をし、かつメンタルな刺激も得ることのできるお散歩を心がけましょう!
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2.吠えた時に天罰を与える
天罰とは、神様から下る罰です。飼い主さんから叱られるのではなく、神様に叱られちゃうんです。畏れ多いったらありゃしない(笑)! 飼い主さんと神様の違いは、飼い主さんはいつも犬を見張っている事はできないが、神様はいつでもどこでも見張っていて、悪さをするとドカーンと雷を落としてくるという所です。神様にお願いして、犬の無駄吠えを止めさせてもらいましょう。
では天罰の使い方を説明しましょう。
まずはスチール製の空き缶にコインを数十枚入れたものを3〜5個準備し、犬が吠えたら、すぐさま背後から犬の傍に缶を投げてください。犬がビックリして吠えるのを止める位の大きな音がする缶が良いです。
この時、缶を投げる飼い主さんの姿を見られてはいけません。犬が振り向いても、完全無視で知らん顔してください。おそらく犬はまた吠え始めるでしょうから、そうしたらまた缶を投げてください。飛び上がるくらいビックリする姿を横目でチラリと見ながら、あくまで知らん顔を貫いてください。投げているのが飼い主さんだとバレてしまったら、無駄吠えを止めさせることが難しくなります。
これを何度も何度も繰り返します。時には、飼い主さんが部屋にはいないと犬い思わせておいて、缶を投げるなどのシチュエーションを作ってみても効果絶大です。この天罰メソッドは、私自身も無駄吠えを止めさせたいお宅の訪問訓練でもけっこうよく使う方法です。ぜひ試してみてくださいね~!
3.吠える対象よりも「気になる」おもちゃやおやつを与える
何か夢中になれるおやつやおもちゃがあれば、それを無駄吠えを止めさせるために使って行きましょう。犬は遊び好きな動物です。ボール遊びや引っ張りっこが大好きな犬はこのメソッドを使うのに最適です。
- まずは、犬の対応をする人(犬係)に加えてもう一人、インターホン押す人(インターホン係)を準備します。
- 犬係の人が、犬が一番好きな方法で遊んであげます
- 遊びが佳境に入ってきたらインターホン係がそっと部屋を出て、インターホンを鳴らします。
- 犬が一瞬インターホンの音にに気を取られて吠えても、犬係はそれを無視して遊びに誘い続けます。
- 4までがスムーズにできれば、あとは回数を重ねるだけです。
もし、犬がさほどおもちゃで遊ばないようでしたら、普段はもらえないような高級おやつでも構いません。インターホンに吠えたいという気持ちを上回る位の価値のある、とっておきのオヤツを上げてください。
犬は、インターホンが鳴ったのが分かっていない訳ではありません。分かってはいるけれど、吠えるよりは遊ぶ(食べる)という事を自分で「選択」しているという事です。「チャイムが鳴っても吠えない」自分を繰り返し体験することで、吠える必要がないものだという理解が浸透するようになります。無駄吠えを「止めさせる」というより、「自分から止める」ように仕向けることが出来れば大成功です。
ここで、飼い主さんが理解しなくてはならない点は、「おもちゃで遊ぶ(おやつをもらう)」 → 「インターホンが鳴る」 という順序でなければならないという事です。 吠え始めてからオヤツでは、吠えたことへのご褒美になってしまいますので、吠えるのを止めさせるどころか、更に悪化させてしまいますので注意してくださいね。
4.「吠えろ」 と 「静かに」をペアで教える
そもそも、犬の行動というのは感情的で衝動的なものですので、意識的に意図して行動を起こしている訳ではありません。ですから、「~しちゃいけない!」と言われても、「へ?何のこと?」とハテナマークが飛び出してしまいます。これでは問題行動を止めさせることは出来ませんね。
そんな場合には、犬が衝動的にしている行動(嬉しくてついつい飛んじゃう!)を、能動的な行動(飛びつけと命令されて飛びつく)と結びつけることで、「飛びついちゃいけません」が分かるようになるのです。
そして、もう一つは、犬は「~をしてはいけません」を実行するのが苦手です。ダメだけではなく、代替行動を教えてあげないといけません。簡単に言うと、「〇〇してはいけないので、△△しなさい」と教えてあげないと問題行動を止めさせることはできません。
例えば、飛びつきを止めさせようと「飛びついちゃイケマセン!」といくら教えても、犬はその代わりに何をすればいいのか分からないのです。こんな時に「飛びついちゃいけないから、座ってようね」と教える事で、飛びつきたい気持ちになった時に「座る」という判断が出来るようになるのです。
これを無駄吠えに当てはめて考えてみましょう。無駄吠えをしてしまう犬には、まずは「吠えろ」という言葉を教え、吠えるとは何かを教えれば良いのです。コマンドで吠える事ができるようになったら、今度は「静かに」のコマンドも教えてゆきます。 こうすることで、吠えている犬に対して「静かに」というコマンドが使えるようになります。
では、実際にどうやって「「吠えろ」や「静かに」のコマンドを教えるかというと、クリッカーを使うのが一番簡単です。
5.犬が吠えた時の対応を変える
今現在、犬の無駄吠えにはどのような対応をしていますか?特に玄関のチャイムが鳴った時や、通行人に吠える犬に対して犬に負けないくらい大きな声で「コ~ラ! 静かにしなさいっ!!!!」なんて言っていませんか?Yesと答えた方、ぶっちゃけそれで犬が吠えるのを止めさせることが出来ていますか?
『犬が吠える理由・原因』でお話していますが、犬が吠える原因の一つとして「同調」というのがあります。犬は群れで生活する動物で、お互いに気持ちを通じ合わせながら生活しています。一頭が危険を知らせるように吠え始めたら、みな一斉に吠えるんです。
吠えた犬に対して大きな声で何か言うと、犬から見れば「同調してくれてる!」と思ってしまうのです。ですから、「もっと吠えて敵を撃退しようぜ!!」という気持ちになり、もっともっと激しく吠えたてるようになってしまいます。「静かにしなさ~い!!」なんて大きな声で言う飼い主さんは、犬が吠えるのを止めさせるどころか、一緒になって吠えているんですよ(笑)。
こんな対応をしてしまっている飼い主さんにおすすめの対処法は、「ジェントルリーダー(またはハルティ)」というトレーニング用の首輪とリードを家の中でも常につけておき、犬が吠え始めたらすかさずリードを手に取り、犬の顔を自分の方に向かせて「静かに」と落ち着いた声で一言伝える方法です。
最初のうちは意味が分からず、ジェントルリーダーを振りほどいてまた吠え始めますが、何度も何度も、犬に分かるまでこれを繰り返します。コツは、飼い主が「落ち着いている」事です。動きもゆっくり、声もゆっくり落ち着いて行ってください。
6.グッズを使う
犬が吠えるのを止めさせるグッズとして、色々な商品が販売されています。 正直、このような商品が個々の犬に対してどれだけ無駄吠えを止めさせる効果があるのかは、使ってみないと分からないものです。ですが、私の経験から言うと、様々な商品の中でも、「無駄吠え防止首輪」と「スプレー」は、無駄吠えを止めさせる上では最も効果が出やすい二つでしょう。
この二つの製品に関しては、個別に記事を書いていますので参考にしてみてください。
7.でもやっぱり基本的なしつけが一番効果ある!
ここまで、犬の無駄吠えを簡易に止めさせることができる対処法をご紹介してきましたが、やはり主従関係を見直し、「しつけを最初からやりなおす」というのが結局のところ一番効果がありますよ!