犬が嫌いな人にとって、犬が吠える声ほど気に障るものはありません。警察に騒音被害として通報されることも珍しくありません。飼い主はさほどうるさくないと思っていても、周りの人がどう思うかはまた別の話です。万が一警察に通報されてしまったときの対処法をお話しします。
警察が来ても、まずは落ち着こう
突然警察が訪ねて来たら、ビックリしますよね。しかも「おたくの犬の吠え声がうるさいと苦情がでています」なんて言われたら尚更です。
動揺しますか? 怒りが沸いてきますか?
「そんなに迷惑なほど吠えていない!」
「他人の愛犬を迷惑というなんて!」
「直接言ってくれれば良かったのに!」
「私だってしつけしようと努力はしたけどダメだったんだもん!」
色々な思いがある事でしょう。
でも、大きく深呼吸をして、まずは冷静になってください。どんな言い訳があれ、「ご近所の方は、警察に通報してしまうほどガマンの限界でストレスを感じている」事は認めなければいけない現実です。
突然警察に通報はある意味非常識だけど・・・
一般的な話をすれば、犬の吠え声がうるさいと感じているご近所の方は、警察に通報する前に、まずは直接飼い主さんに犬の吠え声がうるさいと感じている事を伝えるべきですね。
その後改善がなければ、次は保健所や市役所に相談をするなどのステップを踏み、再三の改善依頼にも応じずに犬を吠え続けさせた場合に最終手段として警察に通報するというのが常識的なステップです。
但し、あくまで「常識」ですから、突然警察に苦情の電話をすること自体にが違法性はなく、そもそも愛犬を吠える犬にしてしまった飼い主さんは文句を言える立場ではありません。
事情がどうあれ、苦情を素直に受け止めて、言い訳をせずに真摯に謝罪するのが一番トラブルになりません。飼い主さん側は「犬の吠え声がそこまでご迷惑をかけてしまっている事に気が付かなくて申し訳ない」という事と、「これから必ず改善努力します」という2点を伝えれば、大抵の場合、その場は丸く収まります。
重要なのは、角を立てないこと
ここで喧嘩腰になって「自分の正当性」を主張してしまうと、相手に良い印象を与えません。相手も人間ですから、「うちの犬はそんなにうるさくない!」などと喧嘩腰の相手に良い感情を持つはずがありません。
世の中、犬が好きな人ばかりではありません。飼い主さんは今後も犬との生活が続く訳ですから、長きにわたりご近所には様々な理解を頂かなければいけないことを理解し、ご近所とは「良好な関係」を保つことが最重要ですよ!
犬が吠える事に違法性はあるの?犯罪になるの?警察に逮捕される?
人には誰でも犬を飼う権利があります。そして、犬が吠える事については違法性は全くありません。犬がどんなに吠えても、それ自体は法律違反にはならないという事です。
ただし、吠え声が規定値レベルを超えた音量で、かつ長時間に渡り吠え続けるような場合で、再三の改善依頼に応じないような場合には、『迷惑防止・騒音防止条例』に抵触することがあります。
条例は自治体ごとに定められていますので、お住まいの自治体で『迷惑防止・騒音防止条例』等が制定されているかどうか、制定されている場合には、違反した場合の罰則規定があるかどうか調べてみてください。
犬の吠え声と『迷惑防止・騒音防止条例』について
では、犬の吠え声が『迷惑防止・騒音防止条例』に違反している場合、それが犯罪になるのかどうかですが、それは、条例に罰則規定があるかどうかが分かれ目となります。
条例違反の行為について罰則規定が定められている場合には「犯罪」となります。一方で、条罰則規定が定められていない場合は、単なる条例違反であって「犯罪」とはなりません。
お住まいの自治体で、罰則規定のある『迷惑防止・騒音防止条例』が定められていて、且つ有罪判決を受けて何かしらの刑を科せられてしまえば、それは「犯罪歴」となります。
罰金払って終了ではありませんよ。前科が付くわけですから、今後何をするにもついて回ります。就職、結婚、パスポートの取得、ローン審査、子供の結婚・・・人生の大きな節目に暗い影を落とす原因となってしまいますよ・・・。
こんなことで大切な人生の履歴書にケチつけるのはもったいないです。
明日にでも吠え声を何とかしなければいけない場合
苦情の質によりますが、訓練が身に付くまで待ってもらえそうになく、明日にでも吠え声を何とかしなければいけないという様な場合には、防音ケージを使うと外に漏れる吠え声は劇的に少なくなります。
実際にこの商品を見たことがありますが、「遠くで犬が吠えてるなー」位の音量になり、ビックリしました。
また、要求吠えを直す基本である、「飼い主さんが徹底的に無視をする」事が容易に出来るようになり、何もしなくても吠えない訓練ができてしまうケースも多々あります。
高額な商品ですが、ご近所から目を付けられて肩身の狭い思いをしたり、突然警察が家にやってきたり、最悪訴えられて犯罪者になる事を考えたら、十分価値はあるのではないでしょうか。
以下、商品のレビューをアマゾンさんより引用しました。
うちのワンは老犬で、痴呆のせいか 夜鳴きが酷く 鎮静剤を使っても 3時間位しか眠らず 毎夜中 起こされ 鳴き声に悩まされ 気がおかしくなるくらい 辛い日々を過ごしてました。アマゾンでこの商品を見つけた時はすぐ購入を決めました。が、値段が高いせいか一度はキャンセルしました。しかしやっぱり辛い日々を過ごす中 思いきって買ってみました。
今日で3日間の夜 夜中を通して 購入して
ホント良かったと思ってます。
私の場合の感想は…
近くでは鳴き声は少しは聴こえますが
夜 寝る時は小屋は一階 私は二階で寝るのですが 耳を澄まさないと聴こえない位
防音効果は大です。
ぐっすり眠れる日常が戻って来ました。
夜中とはいえ ご近所迷惑はないと思います。 私のように老犬の夜鳴きで悩んでる人には 値段は高いですが とっても良い商品だと思います。
警察は民事に介入しないという原則がある
警察の「民事不介入」という言葉を聞いたことがありますか? これは、個人同士の諍いで、違法性のないものに関しては警察は介入できないという原則です。
個人の財産権の行使や私法上の契約、親権の行使等は、個人間の私的関係の性質を有するにとどまるところ、その権利の行使、債務不履行等に対する救済は、専ら司法権の範囲であり、警察権の関与すべき事項ではないとする原則である。
紛争が生じ、市民の通報または警察官自身による現場の目撃をもって、警察権は発動される。しかし、暴力など明確に刑事事案に発展する要件が存在しない場合は、事情聴取などによって情報収集に努めることになる。紛争関係者が自己の都合に有利となるように警察官に強制力を執行するように要求された場合、刑事事案に発展する要件の不存在を理由とする代わりに、民事不介入の原則をもって示すことがあるとされる。Wikipedia: 民事不介入
簡単に解説すると、ご近所との間でトラブルが生じたとしても「警察は、犯罪とは関係のない個人間のトラブル(=民事事件)には立ち入りません」というものです。『迷惑防止・騒音防止条例』が制定されていない自治体の場合には、隣の犬が迷惑だといくら主張しても警察は介入することが出来ません。
ここで、お隣から「犬を黙らせないと殺すぞ!」と脅されたり(恐喝)、口論となって殴られたり(暴行)すれば、これは立派な犯罪ですので、警察は介入することが出来ます。
要は、警察に通報されても、自治体で『迷惑防止・騒音防止条例』が制定されていない場合は、警察は何もできないので、逮捕されるんじゃないか等は心配する必要はないという事です。
警察に通報されたら、飼い主さんが今すべきこと
ここまで、犬が吠えることは犯罪なのか否かについて書いてきましたが、実はそんなことはさほど重要な事ではないんです。警察に通報されるほど自分の愛犬の吠え声が人様のご迷惑になっているのなら、今飼い主さんが最優先ですべきことは、「無駄吠え改善の努力をする」事です。
ご近所への迷惑の軽減が目的なのは言うまでもない事ですが、警察や保健所へ「改善努力している」というアピールにもなるからです。きちんと努力をしている姿は、人に好印象を与えます。
訓練するにせよグッズを使うにせよ、効果が出るまでに多少なりとも時間がかかりますので、ご近所には事前に「こんな努力をしていますので、改善までしばらくご協力下さい」といった内容を伝えておくと盤石です。
このブログでも、無駄吠え防止に関しては特に力を入れて改善方法を紹介しています。参考にしながら、ぜひ頑張ってくださいね!!
犬の吠え声に対するご近所さんの率直な思い
先日、あるサービスを使って、「犬について、不満に感じていることがあれば教えてください。」というザックリとした質問を投稿し、広く意見を募りました。犬を飼っている・飼っていないに関わらず、犬に対して物申したい人の声を聴くために実験的に取ったアンケートですが、2割の方が、「犬ではなく飼い主さんが不満」という趣旨の回答をくださいました。ほんの一部ですが、回答を紹介します。
読んでいただくと分かると思いますが、犬の迷惑行為への不満は、飼い主さんへの不満につながっています。
「犬なんだからしょうがないでしょ」
「犬って吠えるもの」
「ちょっと吠える声くらいガマンしてよ」
そんな風に考えてるとしたら、その慢心こそがご近所からのクレームの直接の原因かもしれません。