先日、Youtubeで坂上忍さんが犬のしつけをする動画を見ました。「訓練士としての資格や経験のない人が何を言うんだろう?」「どんなことするんだろう?」と興味があって見たのですが、内容を見てビックリしましたねー。
坂上忍さんの犬のしつけ方をテレビで拝見
出典:animalive.me
先日、テレビで坂上忍さんが犬のしつけをする番組を見ました。さほど長い番組ではありませんでしたし、触れ合う場面をいくつも見たわけではないので、確定的な意見は何も言えないのですが、「犬をよくわかっておられるなー」とビックリ&感心しました。
犬のしつけをする訓練士が、一体に犬の何を見て、何を基準にしつけ訓練の方法を決めるのかというのは、これまでの経験で培った「感覚」なんですよね。もちろん、「こういうケースの時にはこうする」というマニュアル的なものもない訳ではありませんが、相手は生き物。こちらも生き物。飼い主さんも生き物ですから、一つの方法が同じように効果があるとはいかないんです。
「犬が今不安そうな表情しているな」、「動作がちょっと硬いな」、「こうすると身構えるな」、「やたら飼い主さんをチラチラ見るなぁ」とか、逆に「飼い主さんの存在認識してないよね」、とか、細か~い情報を感じ取った上で、こちらがどう出るかを直観で進めてゆきます。
他の訓練士さんがどうか分かりませんが、少なくとも、私はそのような形で訓練をしています。訓練士が、きちんと「結果を出せる訓練士」であるためには、この経験に基づいた直観がどれほど研ぎ澄まされているかがとても重要だと思っています。教科書通りのしつけがどんな犬にでも効果があるのなら、訓練士は不要ですからね。
坂上忍さんに話を戻します。坂上さんは、この「直観」を持った人だなぁと感じました。坂上さんは犬が何を感じているのかを感じ取る事が出来、犬が今必要としているのは何なのかが直観的に分かる人なんだな、と。
チワワの社会化を促した坂上さんに拍手
私が見た番組の一つは、「成長マン」という番組で中山秀征さんが飼ったチワワをスタジオでしつけるという内容のものでした。
ブルブル震えるチワワを大事そーうに抱く中山秀征さんに「ちょと下ろしてみなよ」と坂上忍さん。あっぱれです!素晴らしいアドバイス。
小さなチワワの赤ちゃんがブルブル震えていたら、一般的な飼い主さんの多くは、「こんなに震えているにかわいそう」「抱いて安心させてあげなきゃ」なんて言って抱え込んでしまう方が大半なのが現実。
でも、子犬が本当に本当に必要としていることは、「やってみたら、全然怖くないじゃん!」という経験を重ねる事なんです。社会化と呼ばれるものですよ。私は数ある訓練士の中でも、この社会化体験をさせることについては非常に強い思いを持っています。これが出来ていない飼い主さんがあまりに多く、社会に適応できない分離不安犬、被害妄想犬、無駄吠え犬を量産してしまっている現実が悲しくて仕方ありません。
坂上さんは、ここを突いてくださった!「放しちゃえばいいんじゃないの?」「手貸さない方が良いよ」。って、感動でしたわ~(笑)。 さっきまでブルブルしていたチワワが、自分の足で歩いて匂いを嗅いでる!他の犬に興味を示している!自分で階段上ってる!って、そういう変化を視聴者の方が目の当たりにする機会があったというだけで、もうこの番組の価値は計り知れないと思いました。大げさ?(笑)。
子犬の社会化の大切さについては、下記の記事中に書いていますので、ぜひ読んでみてください。
犬と向き合わない飼い主さんに主従関係の重要性を教えた坂上さんに拍手
もう一つ見た番組は、志村どうぶつ園という番組のコーナーで、2頭のダルメシアンを飼う飼い主さんのお宅に伺い、家を破壊しまくっている犬のしつけをするという内容のものでした。
2頭のうちのお利口さんな犬の方は飼い主と一緒に暮らし、お利口じゃない方は2階の別室に閉じ込めっぱなしというお宅。まぁ・・・こんなところで私がとやかく言う事ではないですが、こういう飼い主さんって意外と多いんですよね。犬を飼ったはいいけど、手に負えない。どうしたらいいか分からない。しつけもちょっとやってはみたけど効果ない。だからケージに入れっぱなし。こんなハズじゃなかったのになー、って・・・・。
そんな飼い主さんに坂上さんは「キチンと犬と向き合わないからだよ」とキッパリ教えていましたね。スバラシイ!犬は、飼い主さんがどうしてほしいか、教えてもらわないと分からないんです。飼い主は、懇切丁寧に、犬に分かるように、「何が正解なのか」を教えてあげなければいけないんです。それが犬と向き合うという事。
番組に出ていたダルメシアンはハイパー興奮犬で、落ち着きがなく、先住犬にも無遠慮に体当たりするなどして迷惑がられていたのですが、坂上さんの対処法は「お座り」や「待て」を強化することでした。 これも大正解。
犬は「~するな」と言われても、代わりにどうしたらいいかを教えてもらわなければ、自分で「じゃぁ〇〇しよう」と行動を修正することが難しいんですよね。だから、「バタバタするな」「大人しくしろ」ではなく、「座ってなさい」と具体的に教えてもらうことが重要なんです。
坂上さんはお座りを教える上で大切な、声のトーンや態度なども、「自分が犬からどう見えているのか」を自然と意識されていて、さすが普段からたくさんの犬たちと触れ合っているだけあるなと感心しました。要は、主従関係なんですよ。ほんの短いコーナーでしたが、坂上さんは主従関係の大切さを視聴者にきちんと伝えてくれました。昨今のペットブームの流れで、とっつきやすさを狙ったのか「主従関係なんて関係ないよ」と主張する書籍などを目にすることがありますが、このように影響力のある方が「主従関係大切だよ!」と言ってくれるのって、貴重です。
主従関係の大切さについては下記記事で書いていますので、ぜひ読んでみてください。
日本のバラエティ番組の犬を扱ったものって、正直あまり好きではありませんでした。犬を擬人化したものが多く、一般の方の犬という動物への誤解を生むものが多すぎるように感じています。感動優先というか・・・。犬を大切にしよう、可愛がろうという気持ちは否定はしたくないんですが、犬ってそういもんじゃないよと思う事も多いんです。でも坂上さんのコーナーは素晴らしかった。 私はそもそもテレビをほとんど見ないので、坂上忍さんがどういう位置づけのタレントさんなのかよく知らないのですが、超好感持ちました~。
坂上さんの愛犬の名前にシビれた
出典:ameblo.jp/shinobu-sakagami
これは余談ですが、坂上さんが飼っていらっしゃる9頭の犬たちの名前にシビれました。苗字まである(笑)。
佐藤ツトム(チワワ)
高橋ヨースケ(ミニチュア・ダックス)
円山ダイチ(フレンチ・ブルドッグ)
森田パグゾウ(パグ)
宝田リクゼン(イタリアン・グレーハウンド)…亡くなられてしまったそうです
佐久間ギンジ(ヨークシャー・テリア)
ジェームス・太陽・ブラウン(チワックス)
白石フユト(チワワ)
高木ブー太郎(シーズー)
ちなみに・・・・うちの愛犬バスコには、苗字あるんです。丸山バスコ(笑)。更に坂上忍さんに親近感が沸きました~。今後のご活躍にも大いに期待します。