トイプードルのしつけ

生後2ヶ月のトイプードル しつけのカギは触れ合い方にあり

生後2ヶ月のトイ・プードルを、問題行動を起こさない、素晴らしいパートナーに育ててゆくために何より大切なのは「触れ合い方」です。犬は人との触れ合いの中で自分の行動の良し悪しを読み取り、行動の基盤が出来上がります。この基盤を正しく、強固なものにすることで、人間社会に溶け込み、人も犬もストレスなく幸せに暮らせるようになります。

飼い主との触れ合い方がしつけに繋がる

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人間に飼われ、人間社会で生活する動物である以上、人との触れ合いなくして生きてゆくことに意味はありません。子犬が、「人とはどういう存在なのか?」を学ぶ術は、人が犬とどう触れ合うのかに他なりません。なんとなく触れ合っている、世話をしている、というだけでは勿体ないですよ!

飼い主さんが犬にしたことは、全て犬の行動として返ってきます。具体的に何に注意をしながら接したらよいかを飼い主さんが知っているのと知らないのでは、1年後の犬がまったく違うでしょう。

どこを触られても大丈夫なトイ・プードルにする

家庭犬として暮らすトイ・プードルは、誰にどこを触られても大丈夫な犬に育てなければなりません。獣医さんでの診察や健康チェックもありますし、出先で子供に触られたりすることもあるでしょう。普段のお手入れにも喜んで受け入れるようにしなければなりません。

同じトイ・プードルとは言え、個体によってそれぞれ持って生まれた性格が違います。元々触られることが好きな子もいれば、そうではない子もいますし、触られることは嫌ではないが、そんな暇があるなら遊んでくれ!と要求するような子もいます。

私がたくさんのトイ・プードルたちと触れ合ってきて感じるこの犬種の性格は、毛色によっても性格が若干変わってきますが、「ビビリ」「飼い主さんに対しては強気」「おもちゃは好き」「小食」「抱かれるの大好き」「でも顔や足を拭かれるのはイヤ」といったところでしょうか。

それぞれの性格を踏まえながら犬と触れ合うときのコツは以下の通り。

  • 触られることを喜ばない犬は、敢えて沢山触れ合う時間を作る
  • 触られることが大好きな犬は、興奮している時を避けて、落ち着いた状態で触る
  • 暴れる犬を力で押さえつけたりしてはいけないが、ある程度の強引さは必要。
  • どんなケースでも「嫌な体験」ではなく、「気持ちよかった・嬉しかった」体験で終わらせる
  • 犬が飽きるまでやらず、「もうちょっと触ってほしかったな」という気持ちが残るくらいでやめる(長時間を1回より、短時間を複数回の方が効果が高い)
  • 話しかけながら触る

人のお膝を寛ぐ定位置にしないように

トイ・プードルのような小さな犬は、お膝犬にしてしまいがち。可愛いからついついお膝に載せたくなる気持ちも分かりますが、生後2か月からの子犬は、自分の世界を広げる活動をし始める時期です。お膝の上からでは、新しいことを何も学べません。お膝に乗せるのは限定的にし、社会化の基礎となる体験をたくさんさせてあげましょう。

このステップがきちんと出来ておらず、お膝の上からしか世界を体験しなかった犬は、世の中に起こる様々な事柄を自分で処理する能力が育ちません。臆病で、飼い主さんのお膝にすぐに逃げ込もうとし、一生狭い世界でビクビクしながら生きて行く事になってしまいます。

前述しましたが、特にトイ・プードルは元々「ビビリ」な一面を持っている子が多いと思いますので、ビビリな面を助長させるような接し方はやめましょうね!

お膝は、特別お利口だった時のご褒美にして、普段は自分で歩き、自分で判断し、行動できる犬に育ててあげてくださいね!

子供がいる場合には、子供にも犬との接し方を教える

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それから家族のメンバーに小さなお子さんが居る場合には、犬とお子さんとの触れ合いを積極的にすることを心がけて下さい。子供はまだ正しい接し方というのが分かりませんので、親がきちんと指導してあげて下さい

ただ好きに触れ合わせれば、互の絆を深められれるわけではありません。乱暴に扱ったり、突然奇声を発したり、急に触ったり、追いかけまわしたり・・・・と言ったようなことをしてしまったり、良かれと思って抱きしめたり、あれこれ世話を焼くのが犬にとっては逆に迷惑だったりすると、犬は子供が嫌いになってしまいます。それでは、夢にも描いた家族みんな仲良く過ごす構図が崩れてしまいますね。「子供はまだわからないから許してやって」と言うのは犬には通用しません。

家にも小さな子供がおりますので、小さい子供の犬の扱いがついつい乱暴になりがちになってしまうのはよくわかります。子供は一度教えたくらいでは分かりませんので、何度も何度も何度も何度も同じことを根気よく指導する必要があります。(犬と同じですね 笑)

「こうやって撫でてあげると気持ちがいいって言ってるよ」、「こうやったらワンワンがビックリしちゃうよね」などと言いながら一緒に優しく撫でる。追いかけないで、追いかけさせる等、最初は「一緒に」犬と接するようにしてください。

うちの子供たちは上が5歳下が2歳の男の子ですが、産まれた時から犬だらけの環境で育ち、私がかなり念入りに指導しているせいもあり、2人とも犬だけではなく動物全般を扱うのがとても上手です。相手をびっくりさせないようにアプローチする術や撫でるときの優しいタッチなどが自然に身に付いているためだと思います。

子供でまだ分からないからと言うのは言い訳に過ぎません。接し方をきちんと教えてやるそれは親の責務ですのでその辺もきちんと教えてあげて下さいね!

「寝ている犬は邪魔してはいけない」は嘘?

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はい、嘘です!素性の分からない見知らぬ犬が寝ていたら起こさない方が良いとは思いますが、犬を育てるときには、寝ている時こそ触ってあげましょう。それで犬が起きてしまっても構いません。 抱き上げたり、わざわざ起こしたりする必要はありません。寝かせたまま、やさしくゆっくりと撫でてあげてください。

犬社会のルールで、「寝ているボスに触ってはいけない」というものがあるのですが、飼い主さんが「寝ているところを邪魔しないように」と気を使ってしまうと、犬は自分がボスだと勘違いしてしまいます。そんな勘違いをしてしまわないよう、小さいうちから「寝ているところを触る」のは重要なことなんですよ!

「食事中の犬は邪魔してはいけない」も嘘!

これも嘘ですねー。犬社会では、ボスの食事を下っ端の犬が邪魔することは許されません。逆に、下っ端の犬は、ボスに「よこせや!」と言われたら、自分の食事でも差し出す以外の選択肢はありません。上下関係の出来ていない犬(見知らぬ犬)の食事の邪魔などは安全のためしない方が無難ですが、飼い主さんと犬は、上下関係をはっきりさせておかなければいけない間柄です。

犬を飼ったら、その日から飼い主さんはボスとして犬を保護し、ルールを教える立場とならなければなりません。子犬のうちから「食事中は邪魔しちゃいけません!」なんてボス扱いしていたら、犬は自分はエラいのだと誤解します。

食事中の犬は、敢えて触りましょう。上に乗っかったり、羽交い絞めにしたりなんて嫌がらせはしちゃいけませんよ。でも、顔を触ったり、身体を撫でたり、のぞき込んで「おいしいでしょ?」なんて言ってみたりするのはOKです。どんどんやってください。

トイ・プードルの一生に欠かせない、日々のお手入れにも慣らす

トイ・プードルは定期的なトリミングが必要な犬種です。普段の生活でも放っておくと毛がどんどん伸びて毛玉になってしまいますので、自宅でのブラッシングも欠かせません。2か月の子犬では毛はまだ未熟で量も少ないですが、今後の練習のためにもブラッシングに慣らしておきましょう。

お腹やわきの下、目元・口元などはお手入れされることを嫌がる犬が多いですので、この辺りも念入りに「慣らし」て下さい。

生後2か月でのトイ・プードルの毛はまだ未発達で、皮膚を守れるほど丈夫ではありません。目的はブラッシングではなくて、ブラッシングという行為に慣らすことです。そのためには、ブラシを使って、ごく優しく撫でるだけでOKです。最も重要なことは、「気持ちいい」「嬉しい」「もっとやって」と思えるような体験にすることです。トイ・プードルの子犬の薄い皮膚にブラシをゴリゴリと強く押し付けすぎて痛い思いをさせたり、力でねじ伏せて無理やりブラシをかけるなどして嫌な経験にさせないことが重要です。

歯磨きに慣らすことも重要!乳歯のうちはまだ歯磨きは必要ありませんが、口の中に指を入れられることに抵抗がなくなるよう、優しくなでながら口の中にも指を入れたり、唇をめくってみたり、色々なことをしてみてくださいね!

でも!触りすぎ、いじりすぎに注意!

・・とここまで、触れ!邪魔しろ!と書いてきたわけですが、やりすぎると犬が逆に触られることが嫌いになってしまいます。「はぁ!?」ですよね(笑)。では、どこまでならOKで、どこまでがNGなのかの見極め方についてお話しましょう。

触られることを喜んでいるようならOK!でも、しばらく触っているとスーッと逃げていくようであれば、それは触りすぎです。例えば、5分撫でていると逃げていく犬であれば、毎回4分で終わらせ、「もっと触ってほしかったな」という気持ちを残しておくようにしましょう。

最初から触られるのが嫌で暴れる場合には、若干の拘束は必要です。下の動画を参考に、力でねじ伏せるのではなく、犬の身体の仕組みを利用して、上手に動きを封じられるように練習しましょう。

要は、「どのような形で終わったか」が重要なのです。

家族全員の中でしつけの方針を統一しよう

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犬をしつける時にとても重要な要素が要素に一貫性と言うものがあります。どんなシチュエーションでも相手が誰であってもルールはいつでも同じでなければ犬は混乱してしまいます

例えば、「飛びつくのはいいよ」と言うルールにしておきながら、お出かけ前にストッキングを履いているときには飛びついて欲しくないだとか、お客さんには飛びついちゃいいけませんという、人間の都合に合わせた曖昧なルールでは、犬は一体何に従ったらいいのかわからなくなってしまいます。

飛びつくのはOKとするならば、どんな状況でも、誰に対しても同じよううにOKにしなければいけません。犬にとってルールが明確でないと、犬はルールを無視するようになります。当然のことですが、犬がルールを無視するようになるといろいろな場面で問題行動が目立つようになってきます。

家庭内でのルールが一貫性を損なわないため、ご家族の中でできるだけ具体的に家のルールを決め、例外を作らずにしつけをするようにしてください。

例えば・・・

  • 畳の部屋には入ってはいけない
  • 留守番の時にはケージに入る
  • 人間の食べているものはあげない
  • 玄関のチャイムで吠えてはいけない
  • ソファの上には載ってはいけない

家でのしつけの方針が決まったら、皆で、いつでも情報を共有できるように紙に書いて貼っておいてくださいね。

 

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(最終更新 2022年8月20日)

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