「犬が早朝から吠えて家族を起こします。しかも徐々に時間が早くなってきて、もう勘弁してほしい・・・」なんて悲痛な悩みを抱えていらっしゃる方、意外と多いんじゃないでしょうか。今回は、朝に決まって吠える犬の困った行動を改善する方法を紹介します。
この「朝吠え」の多くは、まだ小さい子犬のうちから出現することが多いんです。子犬を飼って何がつらいって、早朝の子犬の世話ですよね。週7日毎日毎日休みなし。しかもだんだんと起きる時間が早くなる。
家族やご近所に迷惑になってしまうから、と必死に起きてお世話をしていることでしょう。でも正直疲労困憊ですよねぇ・・・・。
何で朝吠えるのか?? どうやって直したらいい? その質問にお答えしますね。
なぜ朝早くに吠えるの?
朝早く起きること自体には何も問題はありません。一人で静かに遊んでくれていれば良いんです。 でも吠えて皆を起こすのは大問題!。では、なぜ吠えるかって? 答えは簡単ですよ。自分は目が覚めたのに、飼い主がまだ寝てて退屈だからです。「オレ起きた!」「早く来て!」と吠えているんです。
そして、吠えるとまんまと飼い主さんが起きて来てくれるので、もっと早く起きるようになるんです。つまり、学習した行動だという事です。
「昨日かーさんは仕事で寝るの遅かったから、今日は寝かせてあげよう」とか、「お隣さんからうるさいって苦情がきたからら、アタシもう吠えるの止めよう」なんて気づかいゼロですから(笑)、「お願いだからもちょっと寝かせて」という飼い主さんの願いとは裏腹に、朝吠えは日に日に早く、うるささを増してゆくのです。
これはいわゆる「要求吠え」なので、基本的な要求吠えの対処法である「無視」を実践したいところなのですが、朝吠えに限っては「無視」はおすすめしません。何故かというと・・・・
- ぐっすり寝た後でエネルギー満タンの犬は、吠える事自体がストレス発散になっているので、無視することが罰にならないから
- 無視して諦めるまで待つのはハッキリ言ってご近所迷惑だから
やっぱりご近所とはうまく付き合ってゆきたいものです。犬の吠える声というのは、嫌いな人にとっては何よりの騒音。それが早朝からでは、なおさら吠え声に敏感にさせてしまいます。早めに直したいですよね。
では、ここからは 朝の無駄吠え(朝吠え)を直す方法を紹介します。
犬の朝吠え根絶法 アラーム+天罰
Step0 前準備 環境を整える
ケージに厚手のカバーをかけ、なるべく朝日が入らないようにする。ケージは、朝吠えに対応する人が寝る部屋に置く。
Step1 疲れさせる
毎日の運動はしっかりとさせ、夜ケージに入れるときには疲れた状態にしておく。ストレスのない、リラックス状態だという事が重要です。
Step2 目覚まし時計をセットする
セットする時間は、いつも犬が吠え始める15~30分前。アラーム音は犬にも聞こえるようになるべく大きめに。
Step3 朝、目覚ましが鳴ったらすかさず起きる
スヌーズ機能を使って2度寝はナシにしてください(笑)。これから先の安眠のためだと思って、どんなに眠くてもパッと起きてくださいね~!!
Step4 犬をケージから出し、排せつをさせる
きちんとトイレのしつけが出来ている犬であれば、わざわざ排せつをさせる必要はありません。まだトイレのしつけが出来てない子犬などは、次のステップに進む前におしっこ・うんちをさせましょう。
Step5 排せつしたらしばらく犬と遊んであげる
夜ぐっすり寝たことで溜まったエネルギーを発散させる時間です。アクティブな犬はボール投げや引っ張りっこなどの激しい遊びがおススメ。おやつなどをあげてもオッケーです。
Step6 犬をケージに戻して自分も寝る
眠くなければ飼い主さんは寝なくても構いませんが、起きて活動する場合には、なるべく犬に気配が伝わらないようにしてくださいね。
Step7 Step1~6を1週間続ける
Step7 目覚ましが鳴る時間をずらしてゆく
毎日10分ずつ、アラームが鳴る時間を遅くしてゆきましょう。希望の起床時間になるまで10分ずつ目覚まし時計のセット時間をずらせば完了!です。朝4時に目を覚ます犬を7時まで寝かせたいのであれば、18日で終了です。
このメソッドで達成したいのは、犬の認識を「飼い主は吠えて起こさないと起きない」から「目覚ましが鳴ったら遊んでもらえる」に変えることです。そして、少しずつ目覚ましが鳴るのを待てるようにする事です。
これなら出来そう!と思うでしょう? しかし!これで簡単に朝吠えが直ると思ったら、そうは問屋が卸しません(笑) 多くの場合、「目覚ましが鳴ってから犬を出す間に吠え始める」とか、「ケージに戻すとまた吠える」など、色々と「こんなハズじゃない」が行動が出てくると思います。 なにせ相手は生き物ですから、どう出てくるかは相手次第。
そんな時に併用してもらいたいメソッドは「天罰」方式です。
天罰メソッドの使い方
天罰とは、罰は罰でも、飼い主さんからではなく、神様から下る罰です。叱られる相手が飼い主さんだと、犬はついつい甘えた気持ちが出てしまい素直になれない事がありますが、相手が神様だったら事情は違います。
では天罰の使い方を説明しましょう。
まずはスチール製の空き缶にコインを数十枚入れたものを3〜5個準備します。この缶を夜間は枕元に置いておき、犬がケージの中で吠えたら、間髪入れずにケージめがけて缶を投げてください。ちょっと乱暴ですが、「投げつけ」て下さい。飛び上がるくらいビックリさせたいので、加減はしてはいけません。
この時に細心の注意を払って欲しいのは投げているのが飼い主さんだと悟られない事です。ケージにはカバーがしてあるので缶を投げる姿を見られる事はありませんが、声は聞こえますし、気配も感じます。様子を見たくて覗いたり、投げた後すぐに缶を回収しに行ったりしてはいけません。
最大限に効果を出す為に出来る事 3つ
散歩の途中で、ロングリードなどを使って思い切り自由に走り回れる時間を作ろう。
人のそばをついて歩く事は、メンタル面で良い刺激になりますが、身体的な疲れはさほど感じないはずです。元気いっぱいの犬なら尚更です。 できれば、散歩の途中の公園や広い場などで、ロングリードを使うなどして、思い切り意のままに走らせてあげる時間を作ると、良いでしょう。
ドッグランなどで、他の犬とのコミュニケーションを学ぼう。
他の犬と会い、コミュニケーションを取ることは、人とのそれとはまた違った形でのメンタルを使うので、良い刺激になります。周りに犬友がいなければ、ドッグランや犬のデイケアなどを使うのも手でしょう。
朝のごはんは、食べるのに時間がかかる知育トイを使おう
食欲旺盛な犬は、朝ごはんもあっという間に食べてしまうと思います。どうせなら、ここでもメンタル面に刺激となる方法でごはんをあげてみましょう。使用するのは、おもちゃの中にドッグフードを入れられるようになっている知育トイです。色々な形状のものが出ていますので、いくつか準備して、日ごとに取り換えてみるとなお効果的。 どうやって出すのかな?と考えながら、時間をかけて食べるのって結構疲れるものなんですよ~!