主従関係について

こんにちは!しほ先生です。

前回は子犬のトイレのしつけについて配信を致しました。早速「効果があってビックリです!」というメッセージを複数頂き、嬉しい限りです!メッセージを下さった方々、ありがとうございます。

犬のしつけに困っておられる飼い主さんとお話をするときによく思うのですが、「しつけをきちんとしたい」という思いがあっても、実際何をしたらいいのか分からないという方が多いですね。 

「犬のしつけ」をしようと思ったとき、何を教えたら良いと思いますか?

お座りですか? ふせですか? 待てですか?

いえいえ、それだけを教えても意味がありません。まずは「基本」を確立しなければいけません。

その基本とは・・・・・ズバリ




「主従関係」です。
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「主従関係」って、言葉が堅苦しいので敬遠されがちなのですが、犬を飼う上でこれが出来ていないと、犬は好き放題、好き勝手に暮らし始めます。

LINEで頂いたご相談の中にも、「犬が好き勝手やってるな~」と思うようなお悩みがたくさんありました。今回は「これ!」という質問は敢えて選びませんので、読んでくださっている方全員が当事者だと思って読んでくださると嬉しいです。




さて、主従関係に話を戻します。

例えば、小学校の先生と生徒の関係を想像してください。先生が「はい、授業を始めますので、座りなさい」と言えば、生徒は座りますね。
逆に、生徒が「はい、授業はもうつまらないのでのでやめてください」と言っても先生は授業をやめるどころか、不快に思うでしょう。

これは、先生が「主」で生徒が「従」の関係が当たり前だから起こることです。

問題行動を起こす犬の多くは、この主従関係が崩れています。飼い主のいう事を聞かなければいけないという気持ちが全くないため、飼い主がどんなに一生懸命教えても、叱っても、聞くか聞かないかは犬の気分次第になってしまうんです。




  飼い主「ポチ、お座り!」

  ポチ「は?おやつ持ってねぇじゃん! やなこった」

  飼い主「ポーチ!!お・す・わ・り!」

  ポチ「あー、下っ端のくせにうぜぇ。ズラかろ・・・」




ってな感じです。 思い当たるフシがありますか? 

こんなツンデレな犬が可愛いと言うのであればそれでもアリですが、「犬が言う事を聞かない」という状態は生活の色々な場面で飼い主さんの生活に影響してきますよね。

玄関のチャイムにけたたましく吠えたり、散歩で引っ張って歩いたり、イヤなことをガマンできずに噛んだリ、オフリードにすると戻ってこなかったり・・・。

そんな犬の問題行動に対して、「いくら叱っても効果がありません。

どうしたらいいですか」というご相談を良く受けますが、叱っても効果がないのは、叱り方が悪いのではなくて、犬に聞く気がないからです。
尊敬してもいない相手に、泡つば飛ばして叱られたりすれば、一層距離を置くようになるでしょう。カナスィ!!

そこで今日の講座では「主従関係の築き方」について、動画を交えてご案内をしようと思います。

ただ、主従関係の全てについてお話していると大変なボリュームになってしまうので、今回は自宅で練習できる方法を一つだけご案内しますね。「ボディ・マズルコントロール」という練習ですが、実践しやすいように、動画を準備しました。

まずは、動画を見る前に以下の注意事項をお読みください。






===【 動画を実践するにあたっての注意事項 】=======
●動画は、40分ほどのオリジナルを4分程度に編集しています。4分で犬を服従させようと思わないでくださいね。犬が完全に脱力し、抵抗をしなくなるまで、最初は時間が掛かります。練習を終えるときには必ず服従している状態にしてください。焦らずじっくりと、1時間でも2時間でも根気よく付き合ってあげてください。
●時間の許す限り、毎日でも練習をしてください。テレビを見ながらでも構いません。
●この練習は成犬でも子犬でも同じです。
●既に攻撃的な犬に関しては、経験のない方が実践するのは危険が伴います。攻撃的な犬の場合には、無理に自分でやろうとせず、お近くの専門家に相談してください。
●最初から完璧にうまくはできないとは思いますが、「逃げられる」→「捕まえる」→「逃げられる」を繰り返していると、抱こうとすると逃げる犬にしてしまいます。何度も動画を見て、逃げられないように練習を重ねましょう。
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それでは、下記の動画をご覧ください。

■主従関係~ボディマズルコントロール~





「ボディ・マズルコントロール」を通して達成しようとしていることは、飼い主には抵抗が効かないのだという事、そして、身を預けることは快適で嬉しい事なのだと教えることです。「服従しなさい!」と威圧的な気持ちでやるものではありません。

この動画でポイントとなるのは点は以下の2点です。




———-【暴れたときのホールドの仕方】——————-
「力で拘束しない」事がものすごく重要です。力で押さえつけようとすると犬は恐怖を感じて、命をかけてでも逃げようとします。鋭い歯がある犬と戦っても良いことは何もありません。飼い主さんが怪我をして、犬には逃げられて、抱かれることが更に嫌いになってしまうのがオチです。

コツは、暴れても抜け出せない小さな箱に犬を入れるようなイメージで、ハンドリングしている手が動かないように「ロック」することです。



———-【抵抗をやめたときの力の抜き方】—————-
抵抗した後、犬が諦めて体の力を抜いたら、飼い主さんも即座にホールドを解除し、そのまんま撫で続けてあげてください。
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動画だといとも簡単にやっているように見えるかと思いますが、元気な犬だと意外と難しいと感じられると思います。

私が動画で簡単そうにやっているのは、犬が大人しいからではありません。経験を積んでいるので、犬が降参しやすいようにハンドリングが出来ているからです。最初は上手にできなくても「うちの犬はダメだ」と諦めないことが肝心です。

動画のコーギーちゃんは、まだ生後4か月ですが、首回りや顔を触られることに抵抗があり、触ろうとすると出血するほど激しく噛んでくるので、リードをつけることが出来ないと飼い主さんが困られている子です。可愛いお顔からは想像もつきませんね。

動画を見て頂くと、最初は身を預けることや口の自由を奪われることに対して抵抗しているのが、だんだんと表情が柔らかくなり、脱力していくのが分かると思います。

これだけやれば主従関係はカンペキ!とは行きませんが、この動画を通して、「服従するってどういうことか?」という所を少しイメージできるようになることで、色々な面で犬との接し方が変わって来ることを期待しています。

それでは、また次回! 今回の投稿に関しての質問やコメントがありましたら、ぜひぜひメッセージを下さいませ。